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  5. 管理番号はどうつける?|契約書管理の必須知識

このページでわかること

昨今の新型コロナウイルス感染拡大を背景に、『電子契約』に注目が集まっています。その関心は、電子契約だけにとどまらず、契約書管理そのものにも広がってきています。これまでの記事の中でも、どのように契約書を管理するのが良いのか、メリット、デメリットなど大局的な観点から、何回かご説明してきました(関連記事はこちら)。では具体的にどのように契約書管理をしていけばよいのか、今回は、その第一歩として、管理番号の付け方をご説明します。この管理番号の付け方は、契約書に限らず、文書類の管理にも応用できます。以下でご説明する内容について、『契約書』の部分を『文書ファイル』や『文書箱』など読み替えることで、参考にしていただけます。是非、ご一読ください。

管理番号の意義

管理番号を付けることにどのようなメリットがあるのか、まずは、管理番号を付けることの意義をご説明します。

①検索性の向上

管理番号を付けることは、ただ、番号を振るだけで終わりではありません。管理番号と番号を振った契約書に関する情報を紐づける(リスト化する)ことが必要です。これにより、契約書原本と契約書管理リストが管理番号によってつながり、検索性が向上します。さらに、スキャニングを実施し、データでの活用も行う場合、データに対しても同じ管理番号を付与することで、契約書原本、契約書データ、契約書管理リストが、管理番号で結びつき、契約書の管理・活用がさらに容易になります。

※リストで確認したい契約書の管理番号を特定すれば、原本もスキャンデータもスムーズに検索できます。もしリストがなければ、1点ずつ契約書原本を手に取って内容を確認したり、スキャンデータの場合、ファイルを開いて記載内容を確認することになります。普段の業務に応じて管理リストの記載項目を充実させれば、リストからより多くの情報を入手でき、業務の効率化につながります。(例:契約期限をリストに記載しておけば、契約更新など契約関係の維持のための動きを遅滞なく行うことができます。)

②電子契約を含めた統合的な契約書管理の実現

電子契約では、紙ベースでの契約書は発生せず、データ上での管理になります。電子契約サービス提供会社は、電子契約で締結した契約については、契約相手先や契約日、契約期間など、契約にまつわる属性情報を登録、検索できるシステムも提供していることが一般的です。ですが、過去に締結済みの紙ベースでの契約については、ユーザー側で何らかの対応が必要になります。紙ベースの契約書を電子データ化し、そのデータを電子契約サービスのシステムにアップロードしたり、上記①のようにリスト化し、管理することが必要になります。契約書のリスト化、管理番号の付与により、紙ベースの契約書についても検索性を向上させなければ、せっかく電子契約の導入によって契約業務が効率化しても、その効果が十分に発揮できないものとなります。

契約書管理と管理番号との関係

契約書管理の方法には、

  • 全社的に、契約書管理を一元化する。
  • 過去の契約書を電子データ化する。
  • 契約書管理システムを導入する。
  • 外部倉庫へ保管を委託する。

などがありますが、どの方法を採るとしても、各契約毎に番号を付与して管理することは、避けて通ることができません。

また、管理手段も、

  • 紙の台帳やエクセルでの管理
  • 契約書管理システムなど

いくつか手段がありますが、どの手段でも管理番号を付すのが一般的です。

まさに契約書管理の第一歩といえるのが、管理番号の付与です。

管理番号の付け方

管理番号の付け方には、大きく3つの付け方があります。

A 通し番号だけでの採番
B 一定のルールがある採番
C 厳格なルールがある採番

では、順番にその詳細をご説明してきます。

A 通し番号だけでの採番

発生順に通し番号を付与していく方法です。

≪例≫

0001、0002、0003、・・・・

≪メリット≫

  1. 最もシンプルな番号の付け方で、ルールは単純明快です。例えば、契約の締結順など、順序にしがたい、No.1から順番に付与していきます。
  2. ルールがシンプルですので、管理ルールの維持がしやすいです。

≪デメリット≫

  1. 番号を見ただけでは、どのような契約なのかまったく想像がつきません。番号と紐づいた、契約書の概略の情報(自社の締結部門、相手先、契約内容など)が整理されていないと、機能しません。
  2. 契約管理を、法務部門や、総務部門など主管部門が一元管理していれば、通し番号の付与に問題は生じませんが、締結部門毎に独自に管理していると、番号の重複や欠落などが生じやすいです。

≪向いているケース≫

  • 比較的小さな単位・部署で管理が完結させられる場合
  • 契約書の発生量が少ない場合
  • 契約書の参照頻度が少ない場合

B 一定のルールがある採番

基本的には通し番号を中心に採番しますが、番号の冒頭に、アルファベットなどを付与し、ある程度、系統立てて採番する方法です。

≪例≫

A0001、A0002、A0003、・・・・

B0001、B0002、B0003、・・・・

≪メリット≫

  1. 番号冒頭に1から数文字のコードを付与するだけで、例えば、部署別、あるいは、契約種類などの区別がつきやすくなります。
  2. 冒頭のコードの部分と、通し番号部分の2つの構成要素だけですので、ルールは理解しやすく、維持管理も行いやすいといえます。

≪デメリット≫

  1. コード自体を多く作ることはできますが、必要最小限の要素で構成されているため、重層的な管理は難しいです。
  2. 将来に向けての拡張性(たとえば、契約書管理システムを導入するなど)を考えると、中途半端な管理体系になってしまう可能性があります。

≪向いているケース≫

  • 発生する契約書の種類が少ない場合
  • 契約書を取り扱う部署が少ない場合

C 厳格なルールがある採番

細かく採番ルールを設けて、各桁ごとに定義、コードを設定し、採番していく方法です。

≪例≫

各桁毎に定義を明確にします。

1桁目は、拠点のコードにする。
2桁目は、締結部門のコードにする。
3桁目は、契約内容のコードにする。
4桁目は、作成年度
5から8桁目 通し番号

上記の例の場合、番号を見ただけで、「〇〇支店の営業部が2020年に締結した売買契約書である」と判断できます。

≪メリット≫

  1. 採番ルールが厳格であれば、番号を見ただけで、どのような契約なのか見当をつけることができます。
  2. 番号が細かく定義されているので、契約書原本の収納順が明確になり、検索性が向上します。
  3. 部署毎の独自のルールではなく、全社で統一したルールとすることで、契約書管理の一元化や、契約書管理システムの導入に向けた基礎作りができます。
  4. 各コードについて、経理処理や顧客管理で利用している番号やコードがあれば、それを活用するのも良いでしょう。日常業務の中で利用している番号・コードを用いることで、ルールの共有を行いやすくなります。

≪デメリット≫

  1. シンプルなルールと異なり、採番ルールを含めた契約書管理ルールを担当者が熟知している必要があります。また、新任者に向けた教育など、維持管理に労力を割く必要があります。
  2. 組織変更など管理番号の定義に影響する変更が生じた場合、採番ルールを見直さざるをえない状況になることが起こりえます。

≪向いているケース≫

  • 全社的な管理を行う場合
  • 契約書の種類、量ともに多い場合
  • 契約書の参照頻度が高い場合

最後に

高度で複雑な管理方法や、システムを活用した管理方法が最善の方法とは限りません。実際の組織体制や業務内容に合った、維持管理が確実にできるルール作りが重要です。現在、AIの活用などリーガルテックの進歩は著しいものがあります。そのような先進的な技術や方法論を導入していくために、何をすればよいのか、はっきりと見えていない方も多いと思います。まずは、目の前に見えている、具体的な管理方法の検討から始めてみてはどうでしょうか。管理番号を付けること、これがその第一歩になると思います。

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