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  5. 書籍の劣化を抑えるアーカイバル容器とは

資料保存の課題とアーカイバル容器

アーカイバル容器は、書籍や古文書、版画など貴重な資料や美術品を長期保存するために開発された無酸性の保存箱です。

伝統的な保存容器として桐箱が使われてきたことは周知の通りですが、品質の良い桐箱は高価で、大量に採用することはできません。一方、普通の段ボールは再生材料を使っているために酸が発生しやすく、収納した資料を汚染します。

こうした課題を解決するために開発されたのがアーカイバル容器です。資料を劣化させる外気中の汚染物質をシャットアウトするのはもちろん、資料そのものから発生する酸性ガスを吸収したり、湿度変化が資料に与えるショックを緩和する効果をもっています。

寺田倉庫では、図書館、博物館、美術館、公文書館、歴史資料館、研究機関、大学など多くの利用実績のある、株式会社資料保存器材様のアーカイバル容器を利用しています。

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比較実験結果。密閉ガラス瓶にそれぞれ普通の段ボール(左)とアーカイバルボード(右)を入れ、銀箔をつるして4カ月放置した。左は硫化水素により変色した銀箔、右は変化のなかった銀箔。
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アーカイバル容器の主材料は、純粋なケミカル・パルプを原料に、弱アルカリ(pH7.5~8.5)に調整しています。組み立てのための接着剤や部品も長期保存に適した材料を使用しています。

大切な資料を長期間より良い状態で保存するために

アーカイバル容器は資料の保存に画期的な効果をもたらしますが、万能な魔法の「いれもの」というわけではありません。高温多湿の中に放置すれば虫やカビが発生してしまいます。大切な資料を長期間より良い状態で保存するには、その「いれもの」自体を保管する場所の温湿度などの環境を安定させることが必要です。

寺田倉庫の空調保管技術とアーカイバル容器を組み合わせることで、貴重な蔵書に最適な保管環境を構築することが可能になります。蔵書のサイズに合わせて、様々なアーカイバル容器もご用意しておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。

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参考:使用材料を厳選しPAT試験(ISO18916) をパス

ISO(国際標準化機構)のPAT(Photographic Activity Test)は、各種の材料が酸や金属イオンに敏感な写真資料に与える影響を調べる試験です。この試験に合格することは、写真以外の資料を保存する材料としても優れていることを意味します。アーカイバル容器製品は各種の材料、組み合わせ(紙+接着剤など)でPAT試験をパスしています。

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