コンテンツ資産を安全に管理し、ビジネスの基盤に
作業負荷軽減や、作品の質向上にも貢献

日本アニメーション株式会社様Off-line storage / Terra sight

日本アニメーション株式会社様

日本アニメーション株式会社様

本社所在地

〒206-0001 東京都多摩市和田21番(本社スタジオ)

設立

1975年6月3日

資本金

5,000万円

従業員数

71名

事業内容

映像作品(テレビ、劇場映画、ビデオグラム、CF)の企画制作、映像作品の国内外配給、CGの開発制作、キャラクター商品の企画開発・商品化権許諾、音楽出版、CD・ミュージックテープなどの音楽原盤制作、イベントの企画制作

URL

https://www.nippon-animation.co.jp/

アニメーション制作事業をベースに、コンテンツ創造企業へと事業コンセプトを拡大し、アジアをはじめ全世界へコンテンツを発信。「世界の子供や大人たちに素晴らしいアニメーションを提供し、感動を与え、人間性の涵養に寄与したい」という理念のもと、新たな作品を作り続けている。

導入の背景
アニメ資産のビジネス活用に向け作品ライブラリーの管理方法を模索

日本アニメーションは、1975 年に設立された大手アニメーション制作会社。これまでに『フランダースの犬』をはじめとする世界名作劇場シリーズ、長寿テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』などの制作を手掛けてきた。
「2025 年に創立50 年目の節目を迎えるにあたり、当社の資産である作品ライブラリーをどのように保管・継承し、次の50 年に向けてビジネス活用していくかということが事業戦略の大きなテーマでした」
こう話すのは、経営企画部部長の千島守氏だ。同社はこれまで、フィルムや音源などのマスターテープ、HDD やLTOテープに記録した作品資産を、いくつかの倉庫に分散して保管していた。しかし、これからは作品資産を一元管理して活用していきたいというニーズが生まれ、まずは最初のステップとして、1 年程度の期間をかけてアナログのフィルムやテープ媒体を寺田倉庫が運営する2 カ所の倉庫に集約した。さらに次のステップとして計画したのが、HDD やLTO テープに記録されたデジタルデータのアーカイブ化だった。
同社は業界のデジタル化の流れのなか、7 年ほど前にLTO を導入した。だが、フィルムをデジタル化してLTO テープへ格納したり、データを読み出して別のメディアへ書き出しをしたりするのに、大きな作業負荷がかかるという課題を抱えていた。また、アニメ制作スタッフが過去の作品を見返したくても、LTO テープでは簡単に視聴できないことも課題だった。
「例えばシリーズ作品の場合、新しい作品を作る際に過去の作品を振り返ることがあります。とくに長寿のシリーズ作品は制作スタッフの世代が変わっているので、簡単に参照したいという要望が社内から挙がっていました。しかし、LTOを扱う端末は当社の銀座オフィスにしかなく、多摩の本社スタジオにいる制作スタッフは容易に閲覧できずに不便を強いられていました」(千島氏)

導入前の課題
  • デジタル化したコンテンツを一元管理し、作品づくりや次のビジネスに生かしたい
  • 納品の際に、LTO テープからHDD(ハードディスク)などのメディアにデータ移行するのに時間と手間を要していた
導入後の効果
  • 管理・営業部門がある銀座オフィスや多摩スタジオ、 リモートワーク中の担当者自宅からも必要に応じて コンテンツ資産を確認・閲覧できるようになった
  • データ転送サービスを使うことで、納品までの 作業負担を軽減できた

導入のポイント
物理保管からデジタルデータ管理まで一気通貫で対応可能な寺田倉庫への安心感が導入の決め手に

このような課題を解決するために、日本アニメーションではデジタルデータ化した作品資産をアーカイブするシステムの導入を決断。複数の候補を比較検討した結果、同社が採用したのが、寺田倉庫が提案したデータストレージ/コンテンツ管理サービス「Off-line storage / Terra sight」だった。
「スタッフ体制が変わっていくなか、複数の場所で保管していると、その作品をどこに預けていたか分からなくなってしまいます。当社のフィルム・テープを預けている寺田倉庫に相談したところ、Terra sight を紹介いただきました。寺田倉庫は映像を扱う業界で豊富な実績があり、当社とも古くから取引関係にあります。そうした信頼感、安心感が決め手になり、Terra sight を選定しました」(千島氏)
Off-line storage / Terra sight の導入によって期待されたのは、LTO 端末を実際に操作する担当者の大幅な作業量軽減だった。同社は国内外のテレビ局、配信プラットフォーム向けに番組販売を行っており、海外からデータ納品を依頼された場合にはいったんLTO テープからHDD などの別のメディアに書き出し、それを発送するという手順を踏んでいた。そんな業務を担当していたのが、国際部 マネージャーの伊藤祥史氏だ。
「Terra sight のデータ転送サービスを使えば、海外のお客さまにも直接転送することが可能です。これにより、従来のようにコピーしたり発送手続きをしたりといった作業負荷がなくなります。また、納品が完了して回収したHDD などの保管や処分に困るということも解消できることが期待できました」(伊藤氏)

千島 守氏

日本アニメーション株式会社
経営企画部 部長

千島 守氏

導入の効果
約3 年計画ですべてをアーカイブ化 クラウドファウンディングも活用

日本アニメーションがOff-line storage / Terra sight への移行を開始したのは、2022 年6 月のこと。寺田倉庫の試算によると、毎月15TB 程度、約3 年計画でアーカイブが完了する予定だという。また、新たに制作したアニメ作品のデータは、LTO テープへコピーせずに直接Off-line storage / Terra sight で保管・管理するようにしている。
同社が大きな導入効果と感じているのが、セキュリティに関する不安がなくなったことだともいう。
「これまでは銀座オフィスのキャビネットにLTO テープを保管していた実態もあり、盗難や災害による破損というリスクもありました。堅牢かつ東日本と西日本の2 拠点で冗長化された寺田倉庫で保管されるようになったことで、将来にわたって作品資産を守っていけるという安心感が生まれました」(伊藤氏)
なお、原版のネガフィルムをデジタル化する際は相応の費用がかかるが、同社は寺田倉庫の仲介によるクラウドファンディングの活用もしている。アニメ資産を守っていきたいという同社の考えに共感頂いた方々に支援してもらうことで、デジタル化のスピードが早まることも期待している。

伊藤 祥史氏

日本アニメーション株式会社
国際部 マネージャー

伊藤 祥史氏

今後の展望
より有効に活用するための管理方法を検討 絵コンテなどの格納も計画

日本アニメーションがOff-line storage / Terra sight の活用を始めてからまだ日が浅いが、今後は格納した作品資産に細かなメタ情報を追加・編集したり、どのような枝番管理にするかを検討したりしながら、より有効に活用するための管理方法を寺田倉庫とともに探っていく方針だ。また、アニメの制作過程で使われる絵コンテなどの中間成果物をスキャニングして格納し、将来的な史料化とビジネスにつなげていくことも構想している。
「寺田倉庫は当社のことも業界のこともよく知っており、国の助成金制度の活用を勧めるといった有益な情報を提供してくれます。クラウドファンディングやTerra sight 上で管理しているコンテンツを販売できる『Terra sight MARKET』についても、『当社と一緒に何かをやってくれる』という熱意と作品愛が感じられます。これからも末永くお付き合いしていきたいと考えています」(千島氏)
日本アニメーションの資産であるアニメ作品のデジタル化と有効活用に向け、寺田倉庫が提供するさまざまなサービスは今後も役立っていくに違いない。

勝又 大介

聞き手

寺田倉庫株式会社
アーカイブ事業グループ
ソリューションチーム
マネージャー

勝又 大介

日本アニメーション株式会社様

コンテンツ資産を安全に管理し、ビジネスの基盤に
作業負荷軽減や、作品の質向上にも貢献

日本アニメーション株式会社様

Off-line storage / Terra sight

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