WHAT MUSEUM、2024年4月26日(金)より 「感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで -」を開催

「構造デザイン」に着目した大展覧会。木造建築から月の居住空間まで、貴重な構造模型100点が集結

寺田倉庫株式会社(東京都品川区 代表取締役社長:寺田航平)が運営する「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」は、2024年4月26日(金)から8月25日(日)まで「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」を開催します。現存する世界最古の木造建築「法隆寺五重塔」から、現在開発中の月面構造物まで、建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に焦点を当てた展覧会です。前期展から作品を大幅に入れ替えスケールアップし、100点以上の名建築の構造模型を展示する当館過去最大の建築展となります。GWや夏休みに向け、建築に関わる方から親子連れまで、模型を通して構造デザインの世界をわかりやすく紹介いたします。

本展は、建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に焦点を当てた展覧会です。日本には世界に誇る建築家が数多く存在しますが、建築家の仕事を支える構造家の存在はあまり知られていません。重力や風力といった力の流れや素材と真摯に向き合い、その時代や社会とともに創造してきたのが建築の構造デザインです。専門性の高い構造デザインの世界ですが、建築の「骨組み」の模型を見たり、模型に触れたりしてその仕組みを分かりやすく紹介いたします。

このたびの後期展では、近年サステナブルな建材として注目が高まる木材を用いた建築にフォーカスします。日本の伝統的な木造建築から最先端のものまでを取り上げ、木造の特質を歴史的に俯瞰し、未来の木造建築の可能性を考察します。また、構造デザインを応用したファッションや宇宙開発など、他領域との横断的な取り組みを通じて、構造デザインの広がりを提示します。前期展から大幅に作品を入れ替え、100点以上の構造模型を鑑賞できます。開催期間中には、展覧会に関連した書籍の出版や、トークイベント、パフォーマンスイベント、ワークショップなども予定しています。詳細は順次お知らせいたします。

【本展の見どころ】

■全国各地から100点以上の貴重な名建築の構造模型を集めた、当館最大規模の建築展
■1,400年以上にわたる木造建築の歴史を模型で俯瞰、サステナブルな木造建築の可能性に迫る
■法隆寺五重塔の1/10巨大模型(約3.6m)や松本城天守木組模型のほか、実際にさわれる模型など、構造のスケール感と仕組みをフィジカルで感覚
■JAXA(宇宙航空研究開発機構)と佐藤淳氏らが開発した、月に人間が滞在するための「月面構造物」の最新実寸大模型を初公開
■若手構造家をはじめ、日本を代表する50人以上の構造家を総まとめ
■HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEなど、ファッションと構造デザインのコラボレーション
■アンガールズ・田中卓志氏(大学で建築の構造を研究)による音声ガイド

【展覧会の構成:4つのテーマ】

後期展はWHAT MUSEUM1階・2階全体で、次の4つのテーマで展示を構成します。

1.伝統建築と木造の未来
2.次世代を担う構造家たち
3.構造デザインの展開
4.宇宙空間へ

1.伝統建築と木造の未来

伝統的な日本の木造建築から、最新の現代木造建築までを俯瞰し、木造の特質と可能性を提示します。法隆寺五重塔や松本城などの歴史的な木造建築物にはじまり、近代の木構造、そして葉祥栄と松井源吾、内藤廣と渡辺邦夫、隈研吾と中田捷夫、三分一博志と稲山正弘、藤本壮介と腰原幹雄といった、建築家と構造家の協働による現代の木造建築までの構造模型を展示します。森林資源である木材からなる木造建築を、寸法や接合部、構造システムの視点で歴史的に俯瞰し、未来の可能性を考察します。

「法隆寺五重塔模型 1/10」
所蔵:本多哲弘
制作:田村長治郎
写真:稲口俊太

「旧峯山海軍航空基地格納庫」
写真:ToLoLo studio

「海の博物館 架構模型」
建築設計:内藤廣建築設計事務所
構造設計:構造設計集団<SDG>

「エバーフィールド木材加工場」
建築設計:小川次郎/アトリエ・シムサ+kaa
構造設計:山田憲明構造設計事務所
写真:藤塚光政

「水戸市民会館」
建築設計:伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所 共同企業体
構造設計:Arup
写真:中村絵

2.次世代を担う構造家たち

建築家とコラボレーションし、構造デザインを創造する構造家の存在は、世界をリードする日本現代建築の独自性の源泉です。30名以上の構造家のインタビュー映像を通して構造家の思想と哲学に迫るとともに、注目すべき若手構造家の作品から今後の構造デザインの展開を示します。

「FUGU-折紙の発想で作る超軽量膜テンセグリティ」
設計・施工:下田悠太 林盛 権藤智之 淡路広喜 上條陽斗 中村太一
協力:太陽工業株式会社
写真:tetu kimura

「称名寺の鐘撞堂 模型」
建築設計:大西麻貴+百田有希 / o+h
構造設計:平岩構造計画

3.構造デザインの展開

構造デザインで得た幾何学の知見を生かした、ファッションや地図図法など異なる領域との横断的な取り組みを展示します。空間全体から構造デザインを体感できます。

「Geodome4」
慶應義塾大学 環境情報学部 鳴川肇研究室
©️ 株式会社ゴールドウイン

4.宇宙空間へ

地球上での構造デザインを、宇宙空間へ展開する取り組みを紹介します。現在、佐藤淳らとJAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発する、人が月に滞在するための月面構造物の原寸大模型を展示します。

「月面構造物(飛び移り試験用実大モックアップ/滞在モジュール)」
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 佐藤淳研究室
写真:稲口俊太

【企画担当者コメント】

われわれ人類は、地震力や風力はじめ自然の力学が及ぶ世界に生き、建築における力の流れをどうデザインしてきたのでしょうか。地球という重力空間において、力の流れや素材と真摯に向き合い、時代や社会の変化の中で技術と芸術を融和させ、創造してきたのが構造デザインの世界です。本展では、建築の創造において重要な役割を果たしてきた、世界に誇る日本の構造家と構造デザインを紹介します。日本の伝統的な建築物の木構造から現代木造建築、そして、宇宙構造物に至るまでを取り上げ、4つのテーマから構造デザインの広がりを提示します。会場では、構造模型に触れ、建築の構造を感覚することを通して、自らが住む世界に働く力の流れと自身の感性との結びつきを感じ、構造デザインという創造行為の可能性とその哲学を体感することができます。
ぜひこの機会に、幅広い方に構造デザインの世界を感覚していただければと思います。

■企画担当者プロフィール

近藤以久恵

2018年より建築倉庫ミュージアム副館長、2020年WHAT MUSEUM 建築倉庫ディレクターとして、「ガウディをはかる-GAUDI QUEST-」(2019年)、「構造展-構造家のデザインと思考-」(2019年)、「謳う建築」(2020年)、「建築模型展」(2022年)等、展覧会の企画キュレーションを行う。近藤以久恵建築事務所主宰。建築設計と並行して、建築領域の可能性を拓く学びの場に携わる。

【音声ガイド】

音声ガイドナビゲーター:アンガールズ・田中卓志
©️ワタナベエンタ―テインメント

WHAT MUSEUMでは、公式アプリをダウンロードいただくと、音声ガイドを無料でご利用いただけます。本展では、アンガールズ・田中卓志氏が音声ガイドナビゲーターを務め、展覧会の見どころや展示している構造模型を分かりやすくお伝えします。

【出展協力】

RFA、伊東豊雄建築設計事務所、AuthaGraph株式会社、オーノJAPAN、大林組、大西麻貴+百田有希 /o+h、小川次郎/アトリエ・シムサ+kaa、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE、株式会社ゴールドウイン、株式会社竹田木材工業所、株式会社日建設計、関西学院大学 建築学部 荒木美香研究室、木内隆行、木組み博物館、北九州市立大学 福田展淳研究室、木原明彦、九州大学大学院芸術工学研究院 岩元真明研究室、九州大学大学院芸術工学研究院 斉藤一哉研究室、九州大学葉祥栄アーカイブ、kufu、KAP、慶應義塾大学 環境情報学部 鳴川肇研究室、Graph Studio、佐々木勝敏建築設計事務所、佐藤淳構造設計事務所、SALHAUS、Schenk Hattori、滋賀県立大学 陶器浩一研究室、芝浦工業大学 建築学部 小柏典華研究室、下田悠太、称名寺、白川村教育委員会、田村長治郎、DN-Archi+北九州市立大学 藤田慎之輔研究室、寺戸巽海構造計画工房、東京スカイツリー(R)、東京大学生産技術研究所 腰原幹雄研究室、東京大学大学院 新領域創成科学研究科 佐藤淳研究室、東京大学大学院 農学生命科学研究科 稲山正弘、東畑建築事務所、内藤廣建築設計事務所、中田捷夫研究室、新潟職業能力開発短期大学校、ニューサウスウェールズ大学 構築環境学部、原田真宏+原田麻魚/MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO、平岩構造計画、本多哲弘、松本市立博物館、満田衛資構造計画研究所、明星大学 建築学部 松尾智恵研究室、柳室純構造設計、山田憲明構造設計事務所、八幡浜市教育委員会、ほか

【開催概要】

展覧会名:感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで –
会期:2024年4月26日(金)~2024年8月25日(日)
会場:WHAT MUSEUM 1階・2階(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)
開館時間:火〜日 11時〜18時(最終入場 17時)
休館日:月曜(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料:一般 1,500円、大学生/専門学生 800円、高校生以下 無料
※チケットはオンラインにて事前購入可能
※本展会期中に何度でも入場できるパスポートを販売
展覧会パスポート 2,500円(本展と同時開催中の展覧会とセットで鑑賞可能)
※当ミュージアムの「建築倉庫」では、建築家や設計事務所からお預かりした600点以上の建築模型を保管しており、その一部を公開しています
料金:建築倉庫入場料 700円、セットチケット(本展入場料+建築倉庫入場料)2,000円

主催:WHAT MUSEUM
企画:WHAT MUSEUM 建築倉庫
展示協力:東京大学 腰原幹雄
会場デザイン:吉野弘建築設計事務所
グラフィック:榊原健祐(Iroha Design)
URL:https://what.warehouseofart.org/exhibitions/sense-of-structure_second-term

【WHAT MUSEUMについて】

2020年12月、東京・天王洲にオープンした「WHAT MUSEUM」。寺田倉庫が作家やコレクターからお預かりしている貴重なアート作品を中心に公開する芸術文化発信施設です。倉庫会社としての美術施設はどう在るべきかを模索し、たどり着いたのは「倉庫を開放、普段見られないアートを覗き見する」というユニークなコンセプトでした。作家の思いはもちろん、作品を収集するコレクターのこだわりを大切な作品とともに展示。アートとの出会いの場を創出します。倉庫内で静かに光を放つ文化的価値を暗示した、WHAT(WAREHOUSE OF ART TERRADA)の名のもとに展示されるのは、平面や立体のアート作品をはじめ、建築模型、写真、映像、文学、インスタレーションの数々。これらの多様な芸術文化を、倉庫会社ならではの美術館のかたちとして、新たな切り口で企画・展示を行っています。

※2024年4月5日15時 追記
出展作品の一部に誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。

WHAT MUSEUMに関するお問い合わせ

寺田倉庫 WHAT MUSEUM E-MAIL:info.what@terrada.co.jp

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