100年前のフィルムが4Kを超える!?映像フィルムが持つポテンシャルとは…

目次

  1. フィルムが持つポテンシャル
  2. 材質の違いと特徴
  3. ビネガーシンドロームとその対策
  4. これまでの実績の一部

フィルムが持つポテンシャル

ご存知の通り、映像フィルムはテレビ放送やCMの原版、映画上映など映像の制作で多く使われてきた媒体です。いわゆるテープメディアの開発が進んでからも、フィルムが持つ温かみや質感を好んで利用されるクリエイターも多く、発明されてから100年以上経過した現在でも、一部ではありますが生産が続いています。
このフィルム、独特の雰囲気が好まれているだけではなく、実は非常に高精細な映像を記録している媒体だということをご存知でしょうか?

<フィルムの画素数>
・16㎜フィルム:2K相当
・35㎜フィルム:4K相当
・70㎜フィルム:8K相当

撮影環境や利用するレンズ、その後の保管環境によっても左右されるようですが、古いフィルムであっても、非常にクオリティの高い映像を保持しているのです。
近年になって4K、8Kの映像を見る機会が増えて、非常に高精細な映像が記録された媒体であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

材質の違いと特徴

開発当初から大きく形を変えていないフィルムですが、実はその歴史の中で素材の変遷がありました。
<材質と名称>
1900年代~1950年頃まで・・・ナイトレートフィルム
(素材:ナイトレートセルロース)
1950年代~1990年頃まで・・・TACベースフィルム
(素材:トリアセテートセルロース)
1990年代以降・・・PETベースフィルム
(素材:ポリエチレンテレフタレート)

当初利用されていたナイトレートフィルムは発火性が認められ、撮影所や現像所の火災に繋がることも多く、1950年代から不燃性フィルムへの転換が行われました。
新たに開発された不燃性のTACベースフィルムは期待寿命100年とも言われておりましたが、保管環境によっては、ビネガーシンドロームという恐ろしい現象が発生することが判明しています。
ビネガーシンドロームが発見されてから保存性にも注目が集まり、PETベースフィルムへの移行が進んでいきました。

ビネガーシンドロームとその対策

TACベースフィルムは、経年や環境による劣化により加水分解を起こし、酸性のガスを発生させます。さらに、その発生した酸性ガスで自らを攻撃、急速に劣化が進行していきます。その劣化の過程で発する強烈な酢酸臭からビネガーシンドロームと呼ばれています。
一度ビネガーシンドロームとなったフィルムを元の状態に戻すことはできませんが、専用の冷蔵倉庫での保管を行うことにより、進行のスピードを遅らせることができます。
寺田倉庫では白黒・カラーのいずれにも対応した2℃/30%帯で且つ1時間で室内空気全量の換気能力を備えた冷蔵倉庫でフィルムを保管しながら、フィルムスキャンをしていくことで、お客様の貴重なコンテンツを未来に残していくお手伝いをいたします。
また、データ化の検討をする際の参考としてフィルムの状態を確認するため、ビネガーシンドロームの進行具合を測るA-D Strips検査をご希望に応じて有償にて承ります。

これまでの実績の一部

  • 邦画の35㎜ネガからの4K映像スキャン
  • アニメシリーズの16㎜ネガからの2K映像スキャン
  • 50年以上前の劣化が進んだフィルムからの映像修復スキャン
  • マイクロフィルムからの画像スキャン  etc※スキャン費用の資金調達方法の1つとして、クラウドファンディングのご提案も行っており、 達成率100%のノウハウをお客様へ提供いたします!

 

 

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記録を後世に引き継ぐべく、大切に保管するための環境、映像の活用ができる体制を整えています。コンテンツ管理についてもご相談を承ります。

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