本展では、日本の伝統技法と現代アートを融合させた気鋭の作家、奈良祐希、能條雅由、久野彩子の3名による作品を紹介します。彼らは、建築と陶芸、写真と記憶、金属と都市といった異なる領域を横断しながら、私たちが無意識に認識している「境界」という概念に揺らぎをもたらします。あらゆるものが数値化され、明確に定義されがちな現代において、三者三様の表現からは、そのはざまに潜む「曖昧さ(Blurred)」の美しさが立ち現れます。陶芸、箔、鋳金など日本の伝統技法を現代的に再構築した作品を通して、明確な境界のあいだに揺らぎ続ける作品世界を体感いただけます。
【開催概要】
タイトル:Blurred:交錯する境界
出展アーティスト(敬称略・順不同):奈良祐希、能條雅由、久野彩子
会期:2025年9月11日(木)~9月28日(日)
会場:BONDED GALLERY(〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 4F)
営業時間:12:00~19:00
入場料:無料
主催:寺田倉庫
【出展アーティスト】 (敬称略・順不同)
奈良祐希(なら ゆうき)
1989年石川県金沢市生まれ。東京藝術大学で建築、多治見市陶磁器意匠研究所で陶芸を学び、2017年東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻を首席で卒業。その後に北川原温のもとで学んだのちに独立。2021年より建築デザイン事務所EARTHEN主宰。3DCADやプログラミングを活用しながら、伝統的な陶芸技法と最先端の建築テクノロジーの融合を目指し、新しい工芸の価値を発信。建築と陶芸の融合を目指した陶芸代表作<Bone Flower>が金沢21世紀美術館に収蔵されている。主な受賞歴として第3回金沢世界工芸トリエンナーレ審査員特別賞、Penクリエイターアワード2021、第80回金沢市工芸展世界工芸都市宣言記念賞、第13回国際陶磁器展美濃 審査員特別賞。2023年竣工の建築デビュー作<Node Kanazawa>で第33回AACA賞芦原義信新人賞、グッドデザイン賞2024、第5回日本建築設計学会賞、日本空間デザイン賞2024 銀賞、第30回いしかわ景観大賞、第46回金沢都市美文化賞、日本建築学会作品選集新人賞等を受賞している。
能條雅由(のうじょう まさよし)
1989 年神奈川県生まれ。2015 年京都造形芸術大学大学院日本画専攻修士課程修了。独自の緻密な技法で、現代的な視覚言語と日本の伝統を融合させ、記憶と時の流れをテーマに探求している。自然現象からインスピレーションを得たMirageシリーズでは、箔を用いて図像を再構築していくことで、 周囲の影響を受けながら見え隠れする風景への没入感を希薄な視覚体験へと還元する試みを行なっている。 主な展覧会に、2025年「光・景 Optial Scenary」(Eslite Gallery / 台北)、2024「Lest in Silver」(JD Malat Gallery/ロンドン)、2023年 「うつろいに身をゆだねて」(WHAT MUSEUM/東京)、2021年 個展「Stillness」(YUKIKO MIZUTANI/東京)、2020年 神宮の杜芸術祝祭「紫幹翠葉」(明治神宮ミュージアム)など。 主なコレクションに、佐川美術館、UESHIMA COLLECTION、OCA TOKYO、ユニバーサルミュージックジャパンなど国内外多数。
久野彩子(くの あやこ)
1983年生まれ。2010年に東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻(鋳金)修士課程を修了。現在は東京を拠点に制作活動を行う。ロストワックス鋳造技法を用いて、精緻で構築的な造形作品を制作している。ロストワックスとは、蝋で成形した精密な形態を金属に置き換える鋳造法であり、久野の作品は硬質で重厚な素材感の中に、繊細で高密度なディテールを宿す。主に「都市」をテーマとし、増殖し続ける都市構造や、複雑に絡み合う現代的景観のイメージをモチーフに、金属という素材を通して動的かつ緻密な造形美を追求している。近年の主な展覧会に「奥能登国際芸術祭2020+」(2021年)、「第5回金沢・世界工芸トリエンナーレ」(2022年)など。SHIBUYA AWARDS大賞(2016年)、佐野ルネッサンス鋳金展奨励賞(2017年)ほか受賞多数。
奈良祐希「Ice Wall」
久野彩子「REBORN」
能條雅由「Mirage #115」
※掲載写真はイメージであり、出展作品とは異なる可能性がございます
【BONDED GALLERYについて】
日本を代表するギャラリーが集積するアート複合施設「TERRADA ART COMPLEX Ⅱ」内に位置するギャラリースペースです。倉庫をリノベーションした130㎡のホワイトキューブの空間には、美術品の展示に適した設備が整っており、アートの展示のほか、オークションの内覧やショールームとしても、国内外のギャラリーや関係者に幅広く利用されています。さらに保税施設としての機能も備えており、海外からの美術品を保税状態のまま閲覧・保管等が可能です。
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