膨大なアナログベースの録音メディアを確実に保護
長期的かつ効率的な管理と業務負荷の軽減を実現

株式会社フジパシフィックミュージック様Off-line storage / Terra sight

株式会社フジパシフィックミュージック様

株式会社フジパシフィックミュージック様

本社所在地

〒107-0061 東京都港区北青山2-14-4

設立

1966年3月

資本金

6,000万円

事業内容

国内外の音楽著作権の取得・開発・管理、レコード原盤等の音源制作、テレビ・映画・CM・ビデオ等の映像・音楽の制作、作詞・作曲家の育成およびマネージメント

URL

http://www.fujipacific.co.jp/

フジパシフィックミュージックは、数多くの有名アーティストのレコード原盤を手掛ける音楽出版社。現在は、フジテレビで放送されたテレビ番組主題歌や番組から派生した楽曲の原盤制作・著作権管理も担当している。

導入の背景
⻑期にわたり保管⽅法が確⽴せず劣化による資産の損失を懸念

フジパシフィックミュージックは、50年以上の歴史を誇る⾳楽出版社。名だたる国内アーティストの⾳楽制作を担当し、数々のヒット曲を世の中に送り出してきた。また、多くの外国⾳楽出版社と契約して世界の楽曲管理や利⽤開発事業も展開。近年はライブ収録・テレビ番組・ミュージックビデオなどの映像制作事業にも進出している。
⾳楽制作は1980年代までアナログレコーディングが中⼼であり、録⾳メディアには磁気テープが使われていた。同社でも、当時はレコード原盤の磁気テープをスタジオから引きあげ、そこに録⾳内容のメモを添付して倉庫に保管するという⽅法でレコーディング資産を管理していた。デジタルレコーディングが主流になると、録⾳メディアは次第に磁気テープからハードディスク(HDD)へと変遷。HDDをレコード原盤として倉庫で保管するようになったと同社の森本⽒は⾔う。
「当社では⾳源の録⾳メディアを保管する倉庫として、1960年代後半のアナログテープからデジタルレコーディングしたHDDまで、すべての録⾳メディアを寺⽥倉庫に預けています」
しかしながら、保管⽅法に関する明確な指針のない状態が⻑い間続いていたそうだ。そんな中、現状を⾒かねた経営層の指⽰により、早急に⾃社保有の録⾳メディアのデジタル化を進めることになった。
「倉庫で保管している磁気テープが劣化したりHDDが破損したりして使えなくなれば、レコーディング資産を失うことになりかねません。そこでレコーディングデータを確実にデジタルアーカイブして保管する⽅法を探すことにしました」

導⼊前の課題
  • 経年劣化が進むアナログの録⾳メディアをデジタルアーカイブとして保管したい
  • データ管理⽅法が担当者任せで、社内にある⼤量の録⾳メディアがきちんと管理されていなかった
導⼊後の効果
  • 災害に強い倉庫設備でのデジタルアーカイブ保管により⾳源データの完全性を担保
  • データ管理の⼀元化により、属⼈的だった管理⽅法から脱却し、作業負荷軽減も実現

導入のポイント
保管技術における高い信頼性や耐災害性に優れた倉庫設備を高く評価

森本氏はすぐに寺田倉庫に相談を持ちかけたとのこと。
「寺田倉庫は、磁気テープを保管するサービスを長年提供しており、古いアナログテープをデジタイズするサービスがあるなど、その保管設備やデジタイズを含めたコンテンツを永続的に管理するサービスには厚い信頼を置いていました。そこで紹介されたのが『Off-line storage/Terra sight』でした。Terra sightはもともと映像コンテンツのデータを一括管理するソリューションとのことでしたが、音楽データにも対応できると聞き、導入を決めました」
現在では、倉庫で保管していた磁気テープをデジタイズしてOff-line storageに順次格納しているという。
「HDDは、熱や衝撃に弱く、耐用年数も短いという特徴があるため、物理的な保管方法を続けるとデータ消失のリスクがあります。しかし、信頼性の高いOff-line storageを利用することで、レコーディング資産の安全性が担保できるようになります。そこで当社では、Off-line storageの導入をきっかけに、物理保管からの脱却を目指しました。現在では、データ消失の危険性が高い録音メディアから順番にデジタイズを実施するとともに、顧客の要望に応じてレコーディングデータをデジタルアーカイブし、安全なOff-line storageへ格納するという管理体制になっています」

森本 正樹 氏

株式会社フジパシフィックミュージック
クリエイティブA&R本部
業務グループ マネージャー

森本 正樹 氏

導入の効果
煩雑かつサイロ化していたデータ管理を改善 アーティストサイドからの信頼も獲得

Off-line storage/Terra sightの導入後、様々な効果が得られていると森本氏は話す。
「ちょうど導入を進めていた時期に、ある有名アーティストの事務所から過去の音源データをデジタルアーカイブ化して欲しいという依頼がありました。そこでアナログテープのデジタイズを外部スタジオに委託し、デジタイズが完了したデータから順にOff-line storageへ格納するという作業を進めました。時間と経費をかけて作業を進めたことが評価され、アーティストサイドからの信頼を得られました」
また、これまで担当制作ディレクター任せになっていたレコーディングデータをTerra sightで効率的に管理できるようになったことも大きな効果だという。
「今までは、オフィスの机やシェルフの引き出しにレコーディングデータが収録されたHDDを保管するなど、管理が不十分と言わざるを得ない状況が続いていました。しかし、Off-line storage/Terra sightを利用していたおかげでそれらを一元管理できるようになり、属人的な保管方法を改めることにも成功しました」
さらに、アーカイブデータの管理を担う業務の負荷も大幅に軽減したとのことだ。
「当社では、テレビ番組やCMでの利用を想定したライブラリー音源を制作・販売していますが、その音源データをTerra sightで管理する体制に切り替えてから、必要な音源を探し出して提供するという作業が手元のパソコンで簡単にできるようになりました。この作業負荷の軽減も大きな効果だと実感しています」

今後の展望
将来的なデジタルシフトを見据えデジタルアーカイブの適用範囲を拡大

同社では今後、さらに磁気テープのデジタイズを進め、Off-line storage/Terra sight の利用を拡大していく方針だという。
「音楽を取り巻く環境も、いまやデジタルが主流になりました。世の中のあらゆることがデジタルシフトしていく中、これまで物理的に保管していた磁気テープをデジタイズすることで、永続的に貴重なレコーディングデータを管理・運用していくことが音楽ビジネスに携わる私たちの使命だと思っています」
フジパシフィックミュージックが管理するアーティストの音源データは将来、歴史的価値の高い文化資産になっていくことは間違いない。そして寺田倉庫の Off-line storage/Terra sight は、そうした資産を後世に伝える役割を担っていると言えるだろう。

荒山 優

聞き手

寺田倉庫株式会社
アーカイブ事業グループ
ソリューションチーム

荒山 優

株式会社フジパシフィックミュージック様

膨大なアナログベースの録音メディアを確実に保護
長期的かつ効率的な管理と業務負荷の軽減を実現

株式会社フジパシフィックミュージック様

Off-line storage / Terra sight

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