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ART2018.7.3

モネの先駆性に迫る

「モネ展 それからの100年」

0703_1

印象派を代表する画家として人気のモネ。日本初公開作品を含む25点のモネ作品と近現代美術作品が並ぶ、ユニークな展覧会が開かれる。

0703_2モネの絵が今も多くの人々を惹きつけるのはなぜなのか。理由の一つは、彼の作品の先駆性だ。たとえば現実の光景を筆致や色彩単位で表現する「筆致分割」はものの見方の新しい方法論を提示するものだった。またモネは大気のゆらぎや水、光、蒸気など、形のないものの表現に大きな興味を持っていた。同じモチーフを繰り返し描いていたのは、形が同じであっても季節や時間によって光や大気の状態が変われば目に映るものは違う、そのことを確かめようとしていたのかもしれない。

会場に並ぶ近現代の作品からはモネの遺伝子がどのように進化していったのかが伺える。丸山直文が描く風景は、鮮やかな色の淡いハーモニーが虚実の間をたゆたうような絵画空間を生み出す。スキージ(へら)によって絵の具を画面に平滑に広げるゲルハルト・リヒターの絵画は、奥行きと光のイリュージョンを探求するモネの姿勢と共通するものだ。また、晩年のモネが日本庭園を造って描き続けた「睡蓮」のシリーズは多くのアーティストにインスピレーションを与えた。展覧会には現代作家が絵画や写真で表現したそれぞれの“睡蓮”も並ぶ。

光や時間の流れなど移りゆくものを画面にとどめるにはどのようにすればいいのか。奥行きを平面に変換するにはどんな方法があるのか。絵画をめぐるモネの実験は今も続けられている。

(文・青野 尚子)

「モネ展 それからの100年」
会期:2018年7月14日(土)~9月24日(月・休)
会場:横浜美術館 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
時間:10時~18時(9月14日、15日は~20時30分、入館は閉館の30分前まで)木曜休(8月16日は開館)
入場料:一般1600円

問い合わせ:tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://monet2018yokohama.jp

【画像・上】
クロード・モネ《睡蓮、水草の反映》1914-17年
油彩、キャンヴァス 130.0×200.0cm ナーマッド・コレクション(モナコ)

【画像・下】
鈴木理策《水鏡 14,WM-77》(左) 《水鏡 14,WM-79》(右)2014年
発色現像方式印画各120.0×155.0cm
作家蔵 ©Risaku Suzuki, Courtesy of Taka Ishi Gallery

 

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