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ART2018.4.13

岡本太郎の写真―採集と思考のはざまに

鋭い眼が見つけた、私たちの知らない日本

0420

岡本太郎は“描く人”であるだけでなく、“観察する人”でもあった。若い頃に留学したパリで画家としての道を模索しつつ、マルセル・モースらに民族学や社会学を学んでいる。写真にも興味を持ち、ブラッサイやマン・レイに手ほどきを受ける。帰国した彼は戦後になると日本全国を旅して写真を撮り、彼が見出したさまざまな習俗を記した文章とともに雑誌に発表した。今からおよそ半世紀前の彼の写真には、今では貴重なものとなった街や人が写っている。

0420_02この展覧会に出品されるのは太郎が取材先や旅先で撮影したもの。こちらに向かって走ってくる子どもたち、玩具、木造の小さな家、祭り、街並み、副葬品、彼の視線がとらえたさまざまなイメージが並ぶ。太郎の旅によく同行していた秘書の敏子は、「一緒に歩いていても、岡本太郎の眼が捉えていた世界を、私はまるで見ていないんだな」と思ったという。その言葉の通り、太郎は彼にしか見えないものを写し取っていたのだ。

太郎の絵がいつ見ても新鮮なものであるのと同様に、彼の写真も常に新鮮な驚きをもたらしてくれる。太郎があの鋭い目つきで発見した日本は今もいろいろなことを教えてくれるのだ。

(文・青野 尚子)

「岡本太郎の写真―採集と思考のはざまに」
会期:4月28日(土)~7月1日(日)
会場:川崎市岡本太郎美術館 神奈川県川崎市多摩区枡形7―1―5
時間:9時30分~17時、月曜、5月1日休(4月30日は開館)
入場料:一般800円
http://www.taromuseum.jp

【画像・上】
《登野城海岸/石垣島》1959年
【画像・下】
《箱まわしの小さな人形の首/四国》1957年

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