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ART2018.6.5

謎の多い傑作《ダヴィデ=アポロ》像が初来日

「ミケランジェロと理想の身体」国立西洋美術館にて開催

0605_1

絵画でも建築でも大きな実績を残したけれど、自らの本分は彫刻にあると考えていたミケランジェロ・ブオナローティ。彼が壮年期に制作した謎の多い彫像《ダヴィデ=アポロ》が初めて日本で展示される。

0605_2もっとも大きな謎は、この彫像が何を現しているのか、ということだ。ダヴィデは旧約聖書で敵の巨人ゴリアテを倒した英雄。アポロはギリシャ神話の光明・芸術の神だ。像が背負った石の塊はダヴィデの投石器か、アポロの矢筒か、その結論は出ていない。

像の足下にはノミ跡の残る丸い塊がある。ゴリアテの頭部にも見えるけれど、他のものかもしれない。背中の塊も含め、全体に粗削りだ。ミケランジェロはこの彫像の仕上げをしないまま、《最後の審判》を制作するためフィレンツェからローマに旅立った。我々には未完成に見えるけれど、ミケランジェロにとってはこれ以上手を入れる必要のないものだったかもしれない。

展覧会にはこの《ダヴィデ=アポロ》のほかに《若き洗礼者ヨハネ》がやってくる。こちらは傑作《ピエタ》で名声を得る前、20歳そこそこで手がけた作品だ。完成度の高さが早熟の天才ぶりを物語る。ミケランジェロの大理石彫刻作品で現存するものはおよそ40点。日本でそのうちの2点を見比べることができるとはなんたる幸運か。

さらに会場には古代ギリシャ・ローマ時代の彫像やルネサンス期の絵画が並ぶ。ミケランジェロを始めとするルネサンスの芸術家たちは古代ギリシャ・ローマの人体表現に大きな影響を受けていた、その流れを追ってみるのも一興だ。

(文・青野 尚子)

「ミケランジェロと理想の身体」
会期:2018年6月19日(火)~9月24日(月・休)
会場:国立西洋美術館 東京都台東区上野公園7-7
時間:9時30分~17時30分(金・土曜は~21時、入館は閉館30分前まで)、月曜休(7月16日、8月13日、9月17日、9月24日は開館)、7月17日休
観覧料:一般1600円ほか
問い合わせ:03−5777−8600(ハローダイヤル)
https://artexhibition.jp/michelangelo2018/

【画像・上】
《ダヴィデ=アポロ》 ミケランジェロ・ブオナローティ 1530年頃 フィレンツェ、バルジェッロ国立美術館蔵 高さ147cm 大理石 
Firenze, Museo Nazionale del Bargello / On concession of the Ministry of cultural heritage and tourism activities.

【画像・下】
《若き洗礼者ヨハネ》 ミケランジェロ・ブオナローティ 1495-96年 ウベダ、エル・サルバドル聖堂/ハエン(スペイン)、エル・サルバドル聖堂財団法人蔵 高さ130cm 大理石 
Úbeda, Capilla del Salvador; Jaén (Spain), Fundacion Sacra Capilla del Salvador © Ministero per I Beni e Le Attivitá Culturali e del Turismo, Opificio Delle Pietre Dure

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