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ART2018.2.13

ルドン 秘密の花園

幻想の画家が描いた花々

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1840年生まれ、色彩が輝く印象派の画家たちと同世代であるにもかかわらず、オディロン・ルドンの画業は自身が「わたしの黒」と呼ぶモノクロームの版画作品から始まった。荒涼とした風景や、人の目や頭が描きこまれたシュルレアリスティックな植物は暗い妄想を描き出したかのようだ。幼少期に両親と離れて育ち、建築家にという親の期待には応えられず、放浪の版画家ロドルフ・ブレスダンや在野の植物学者アルマン・クラヴォーとの交流を通じて画才を発揮していったルドンは常人とは違う目で現実世界を見ていたのかもしれない。

rudon_2「黒の画家」として認められていたルドンは40歳前後から、次第に油彩やパステルによる着彩画を手がけるようになる。花とともに空中に浮いているような女性は目を閉じていて、夢を見ているようだ。花と戯れる蝶の絵の中には蝶なのか花なのか、あえて曖昧に描いたものがある。ルドンの絵画はこうして現実と非現実の境界線を溶かしていく。

縦横がそれぞれおよそ2・5メートル×1・6メートルという巨大なパステル画《グラン・ブーケ(大きな花束)》は、1893年に知り合ったロベール・ド・ドムシー男爵の城館の装飾画として描かれたもの。普通では考えられない大きさで咲き誇る花々はむせ香る匂いまで漂ってきそうで、やはりちょっと幻想的だ。今回は現存する他の装飾画15点と合わせて公開される貴重な機会になる。男爵はこの絵の前でワイングラスを傾けたりしていたのだろうか。そんなことを考えながら楽しみたい。

(文・青野 尚子)

 

「ルドン—−秘密の花園」
会期:2018年2月8日(木)~5月20日(日)
会場:三菱一号館美術館 東京都千代田区丸の内2―6―2
時間:10時~18時(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は~21時)、月曜休(祝日の場合と、トークフリーデーの2月26日、3月26日、5月14日は開館)
観覧料:1700円
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

【画像・上】
《眼をとじて》1900年以降 油彩/カンヴァス 岐阜県美術館蔵
【画像・下】
《グラン・ブーケ(大きな花束)》1901年 パステル/カンヴァス 三菱一号館美術館蔵

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