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ART2017.7.14

「ベルギー奇想の系譜  ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」

幻想の表現の歴史をたどる

01

空想の産物でもこれだけリアルに描かれていると実在のものかもしれないと思えてくる。「ベルギー奇想の系譜」に登場する絵画やオブジェはそんな迫真性に満ちている。

02そのルーツは16世紀の画家、ヒエロニムス・ボスにさかのぼる。彼が描いた地獄にうごめくモンスターたちはさまざまな生物のパーツが組み合わされて、奇怪な姿を見せる。「第二のボス」と言われたピーテル・ブリューゲル(父)が描く怪物は恐ろしくもどこか、愛嬌がある。

19世紀に入ると科学や工業が飛躍的に進歩するが、人間の心に潜む闇は消えない。象徴主義を代表するフェルナン・クノップフや、骸骨や仮面を描き続けたアンソールらは明るい近代の光に背を向けて、想像力と夢の世界に逃げ込む。20世紀初頭にヨーロッパを席巻したシュルレアリスムの波はマグリットやデルヴォーらを生んだ。第二次世界大戦後には、中世の宗教画や歴史的なできごとをモチーフに幻想的な作品を作り出すヤン・ファーブルらが奇想の系譜を発展させている。

ベルギーは1830年に独立するまで周囲の国の支配を受けてきた。現在のベルギーは3つの言語を公用語としている。唯一絶対の神を頂点とするキリスト教の図像体系を超えた豊かなイマジネーションは、こんな歴史的背景から生まれているのかもしれない。

(文・青野 尚子)

「ベルギー奇想の系譜  ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」
会期:2017年7月15日(土)~2017年9月24日(日) 
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム 東京都渋谷区道玄坂2−24−1
時間:10時~18時(金・土~21時、入館は閉館30分前まで) 7月18日(火)、8月22日(火)のみ休
入館料:一般1500円
問い合わせ:tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_belgium/

【画像・上】
ヒエロニムス・ボス工房 《トゥヌグダルスの幻視》 1490-1500年頃 油彩・板 ラサロ・ガルディアーノ財団 © Fundación Lázaro Galdiano

【画像・下】
ジェームズ・アンソール 《オルガンに向かうアンソール》 1933年 油彩・キャンヴァス メナード美術館

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